胃がんは日本でも死亡率は下がってきてはいますが、罹患者数は相変わらず大勢いらっしゃいます。その胃がんになりやすい危険度が血液検査で判る方法が「ペプシノーゲン検査」です。「ペプシノーゲン検査」とは、血液中のペプシノーゲンの産出量を測定することによって、高い確率で萎縮性胃炎を発見することができるというものです。また胃癌は萎縮性胃炎を経て発生する可能性が高いので、胃癌の早期発見にも有効な検査方法だと言われています。
ペプシノーゲンの検査結果は数値によって陽性と陰性に分かれますが、陽性の中でも強い陽性の場合は委縮性胃炎や胃がんが疑われます。陰性でも数値が高めの場合はピロリ菌感染が疑われますので、ピロリ菌の検査をお勧めします。
ただ、ペプシノーゲン検査にも欠点はあり、萎縮と関係なく発症する未分化型腺がんや、間接X線法では容易に診断できる進行がんが逆に見逃されると言われています。そこで近年では、ペプシノーゲン検査でスクリーニングを行ない、陽性になった人は上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)による精密検査を受け、陰性者は従来の胃X線検査を受けるという方法が最適であると考えられています。