脳腫瘍

脳腫瘍とは、頭の中に異常細胞が増殖する病気です。脳組織自体から発生する原発性脳腫瘍と、他の臓器のがんが脳へ転移した転移性脳腫瘍の2種類があります。原発性脳腫瘍には、良性と悪性があり、たとえ良性の腫瘍であっても、頭蓋骨の内側という限られたスペース内に発生する脳腫瘍は、大きくなると正常な脳を圧迫して傷害を起こすため、治療の対象となります。 一方、転移性脳腫瘍は悪性となります。

脳腫瘍の発生率は、人口10万人に対して約12人と言われており、全体として悪性のものも多く、良性か悪性かによって完治の可能性が異なります。

脳腫瘍の種類

1.神経膠腫  28%  悪性(一部良性) グリア細胞から出来る

2.髄膜腫   26%  良性(一部悪性) 脳を包む膜に出来る

3.下垂体腺腫 17%  良性       脳下垂体に出来る

4.神経鞘腫  11%  良性       脳から出る神経に出来る

5.先天性腫瘍 5%  比較的良性

6.その他   13%

脳腫瘍の検査は、CT,MRIが中心です。PET検査では見つかりにくいがんの一つです。

追加全脳照射のリスクとベネフィット

がんが脳転移した場合、手術で脳転移病変を除去できるケースは限定されてきます。

脳転移病変が小さく、数も少ないケースでは脳腫瘍部位に放射線を照射する定位放射線治療を行いますが、その後、術後療法・救援療法・終末期治療などとして、全脳照射(WBRT)を実施することもあります。

しかし、ASCO2015(2015年米国臨床腫瘍学会学術集会)で報告された、米国立衛生研究所(NIH)が助成した第Ⅲ相試験では、1~3個の小さい脳転移病変(最大径3㎝以下)があるケースでは、定位放射線治療後に全脳照射を追加した場合、病変の増大は制御されるものの、全生存期間(OS)は有意に延長しないことが示されました。また、認知機能低下などのリスクは高く、リスクがベネフィットを上回ると報告されています。

本試験は日本人で実施されたものではないので、そのまま我々に当てはまるかは不明です。しかしながら、本件に限らず、リスクとベネフィット(便益)を意識しながら治療を選択すると言うことも大切ではないでしょうか。