長引く食道の病気が食道がんの素地を作ってしまう場合があります。
その病気の一つがバレット食道です。
バレット食道は食道粘膜の細胞が異常になってしまった病気です。通常の食道粘膜の扁平上皮細胞は平たい四角形をしています。これが食道炎を繰り返すうちに、酸から身を守るために円柱形に変化していき、やがて粘膜に、大きさや形の異なる細胞が入り乱れた状態になってしまうのです。バレット食道は腹部食道(胃の近く)に起こることが多く、腺がんの原因になりやすいと言われています。
では、バレット食道の原因はなんでしょうか。良く聞く、逆流性食道炎もその一つです。胃から胃酸が食道に逆流し、食道炎をおこす病気です。この病気で食道炎を繰り返すことによって上記バレット食道を引き起こすのです。
逆流性食道炎は、胃の入り口にある噴門の筋肉が緩んでくることによって発生します。筋肉の緩みは多くは加齢が原因となります。また、胃や食道の手術後にも発生しやすいものです。胸焼けや咳、のどの違和感など、症状としては軽いので市販の胃腸薬でやり過ごしてしまう場合もありますが、逆流性食道炎が疑われる方は医師の診察と定期的な検診を受けられることをおすすめします。