肺がんのほとんどは、腺がん、扁平上皮がん、小細胞肺がん、大細胞肺がんの4種類で占められています。
しかしわずかですが、この4種類の組織型に入らない特殊な肺がんもあります。
特殊な肺がんの中でも、線様嚢胞がん、粘表皮がん、カルチノイドは、早期発見・早期治療により治癒する可能性の高いがんです。
カルチノイドは形と性格からいえば小細胞肺がんに似ていますが、転移などが小細胞肺がんに比して少ない腫瘍とされています。線様嚢胞がんと粘表皮がんは、唾液腺に発生するがんと似た組織型をしているがんです。
これらのがんはいずれも気管と、太い気管支から亜区域気管支までに発生して、気管支の内腔に発育していきますが、悪性度が低いので低悪性腫瘍と呼ばれており、早期治療により治癒の可能性が高いのです。
ただし、気を付けなくてはいけないのは、これらのがんは早期には無症状である事です。更にがんが大きくなって内腔が狭くなると空気が通りにくくなるので、ゼーゼー、ヒューヒューなどの喘鳴が起こります。このことにより、気管支喘息と間違われることも多く、気管支喘息の治療をしているうちに、がんの治療が遅れてしまうことがあるのです。
しかもこれらのがんは比較的に若い人に多くみられるので、それもがんが疑われない一因になってしまうのです。
喘息やかぜの治療をしても症状が改善しない場合、一度は呼吸器科の専門医に正しく診断してもらったほうが良いのではないかと思います。