肺がんの症状

肺がんは早期のうちには症状の出にくいがんです。特に肺野型肺がんは早期のうちには、ほとんど症状が出ません。一方、肺の入り口部分の肺門部に出来る肺がんには症状があります。しかしながらその症状も肺がんに特徴的なものではありません。

肺門型肺がんは早期のうちから咳や痰がでやすく、血痰もしばしばみられます。ただし、咳や痰は肺がんに限らず、ほとんどの呼吸器の病気で最も頻繁にみられる症状で、がん特有の症状とは言えません。

ですので、咳や痰が2週間以上続く場合や、治療しても治らない場合はがんの可能性も考えて、呼吸器科の専門医に診てもらいましょう。特に肺門型肺がんの代表的ながんである扁平上皮がんは、喫煙との関係が濃厚だと言われています。煙草を吸っている人や、今は禁煙していても過去に長く煙草を吸っていた人は、症状の原因を専門医に調べてもらった方が良いと思います。

肺門型肺がんが進行すると、気管支の内壁が狭くなり、ゼーゼー、ヒューヒューと気管支ぜんそくのような症状が出てきます。さらに気管支の先への空気の出入りが悪くなるので、肺の中の空気の量が少なくなって肺がつぶれたような状態になることもあります。このような状態になると、空気の出入りが悪くなって、空気がよどんで浄化できなくなるので、ウィルスや細菌の感染が起こりやすくなります。このような結果起こった肺炎を閉塞性肺炎と言いますが、咳や痰はもちろん、発熱、胸痛なども伴うようになります。

また冒頭で記載したように、肺野型肺がんは早期のうちは症状がほとんどありません。周囲の組織に浸潤したり、転移したりして症状が出ることが多いので、早期発見のためには定期検診が必要と言う事になります。

更に肺がんは転移しやすので、転移先の臓器の症状によって、肺がんが発見されることもあります。しかしそのような状態で発見できたとしても、転移をしたがんは肺がんに限らず、治る確率が低くなってしまいます。

やはり、早期発見をするための定期的な検査と、異状を感じた時の速やかな受診行動が身を守る事に繋がります。