大腸がんの職場復帰までの目安

大腸がんの治療後、まずは退院するまでの日数のおおよその目安は次の通りです。

内視鏡治療・・・2~3日

腹腔鏡手術・・・7~8日

開腹手術・・・・10~14日(合併症がなく、経過が順調ならば)

しかしながら、治療の内容や年齢、体力によっても変わってきますので、これ以上の日数が必要な場合もあることもご理解しておいてください。

また、退院したからと言ってすぐに仕事に復帰できるわけではありません。

退院後にいつまで自宅療養しないといけないのか、いつから仕事に復帰できるかと言うことも個人差があります。

退院後1週間位は安静を保った後、順調に回復しているようであれば、徐々に散歩などの軽い運動を行いながら身体を慣らしていくようにします。

そのような経過ののち、合併症がなく、経過が順調ならば

軽作業やデスクワークが中心の仕事・・・1か月くらい

腹筋を使ったりする力仕事・・・・・・・2~3か月後

で仕事に復帰できることが多いようです。

しかし、目安はあくまで目安です。あまり職場復帰を焦ること無く、家族や職場の人などの周囲の人達の協力を得ながら、そして担当医とも良く相談して、無理のないスケジュールをきめていきましょう。

また、職場に産業医が居るなら復帰前に面会して状況を伝え、困った時には相談に乗ってもらえるようにしておくことも良いと思います。

大腸ステント治療

切除不能肝転移大腸がんへのラジオ波焼灼療法の有効性

遺伝性の乳がんについて

乳がんはBRCAと言われる遺伝子の変異も発症に関係していると見られています。

昭和大学医学部乳腺外科の中村清吾先生の発表によれば、乳がん患者のうち7~10%は、遺伝子変異が原因の遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC)とされ、その多くはBRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子に変異があることが報告されています。BRCA1遺伝子変異を持つ患者では、生涯乳がん発症リスクが6~8割と非常に高いほか、乳がん再発リスクや卵巣がん発症リスクが高いことも知られています。

アメリカやイギリスではBRCA1遺伝子の異常が分かった場合、発症前に、がんになりやすい臓器(乳房、卵巣)を切除するという予防法も行なわれています。少し前の話になりますが、有名なハリウッド女優さんが乳房と卵巣の摘出手術を行い話題になりましたよね。

しかしながら、日本では予防的な臓器切除は一般的ではありません。

それに、例え遺伝子異常を持っていても全員ががんを発症するわけではありませんし、生活習慣の改善によりリスクを減らせる可能性もあります。例えば脂肪の摂取を減らせばがんになる確率は下がると言われています。

ですから、予防のために臓器の切除を行うと言う選択肢よりは、定期的ながん検診を受け、がんが発見されたら早期に治療するという選択肢の方が一般的な選択肢になるのではないでしょうか。

上記の女優さんも次のように言ってます。「選択肢は一つではありません。大切なことは選択肢について知り、その中から自分の個性にあったものを選択することです。」と。

この言葉は、乳がん予防に関してだけではなく、がん治療全般にも まさに当てはまる言葉だと思います。

食の大切さを知りましょう!

食は生命の根源であり、病気の原因ともなります。

また、がん治療にも食事療法があるように、がんの発症とも大きく関係しています。

食事次第で健康にも病気にもなるのです。

そんなに大切な食事なのに、おいしいか不味いかだけで語られることが多いのも食事の現実です。

また、一方で手軽なカップ麺やレトルト食品、ファーストフードなどが多く摂られることも現実ではないでしょうか?

ご自身のためにも、そして大切なご家族のためにも、一度食について考えてみませんか?

食に関するセミナーが大阪で開催されます。お近くの方は是非参加されてはいかがでしょうか?

 

詳しくはこちらをご覧ください

 

 

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高知にてセミナーを開催しました

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去る11月14日に高知市内でセミナーを実施しました。

保険会社さんのお招きにより、「がんと治療とお金」に関するセミナーです。

セミナーは今までも何度も実施させていただいてますが、最近は新たな試みとして、セミナー中でがんサバイバーの方に登壇いただいて、リアルなお話をしていただいています。

今回もがんになった時の心構えやお金の準備の大切さなどをお話しいただきました。

・「高額療養費制度もあるので、医療保険に5千円程度加入していれば大丈夫!がん保険は不要!」なんてもっとも(?)らしいご意見を言う方もいらっしゃいますが、本当にそうなのでしょうか?

・病院の都合で個室に入った場合は差額ベッド代は払わなくて良い?制度上はそうです。しかし、入院の手続き時に大部屋が空くまで入院を待ちますと言いますか?

・大部屋に入れば健康保険以外のお金は掛からないのでしょうか?

・収入面は変わらないですか?

‥等

現実を直視すれば保険の大事さが良くわかると思います。

皆さんもご自分に置き換えて、治療とお金の事を真剣に考えてみることを強くお勧めします。

高額療養費制度について

がんと向き合うための資金準備

 

がんと脳梗塞

がんと脳梗塞。一見無関係に感じますが、実はそうではないのです。

なぜならば、がん治療中の患者さんが脳梗塞を発症することは稀ではなく、逆に脳梗塞を発症した患者さんにがんが見つかることもしばしばあるからです。また、海外ではがん患者さんの剖検(死因,病変などを追究する ために,死体を解剖,検査すること)例で約14.6%に脳血管障害の合併があり、その約半数は脳梗塞であったと言う報告もあります。

何故、がんと脳梗塞が関係があるのでしょうか?原因としてはいくつかあげられますが、そのうちの一つはがん自体が梗塞の原因となる事です。真性多血症や白血病、また悪性リンパ腫でも血管を梗塞することがあります。また、多発性骨髄腫でも、直接的な原因ではありませんが脳梗塞の報告があります。

また、治療自体が原因となる脳梗塞もあります。例えば抗がん剤治療で使われる事が多いシスプラチンでは心房細動が現れることがあります。その心房細動が原因となり脳梗塞が現れることがあるのです。また、肺や食道などの手術によっても心房細動が起こることがあると言われています。また、脳の近辺の放射線治療によって血管障害が起こると言う報告もあります。

がんを患っている方(担がん患者)の脳梗塞の発症率が高いかどうかについては若干の議論があるようですが、その発症の経緯については、がんの無い方と比較すると、かなり特異であると言えます。

そして、担がん患者さんに脳梗塞が発症した場合、QOLを決定したり予後を決定するのは、多くの場合がんでは無く脳梗塞になると言われています。

今はがんでも生きられる時代となりました。そんな時代だからこそ、脳梗塞には十分に注意を払ってくださいね。

米国マクドナルドが防腐剤などを不使用へ

アメリカでは個人の医療費負担が増加しており、その医療費を抑制するためにも健康的な食生活を送ろうとする人が増えていると言われています。その為に、ファーストフードの本場ともいえる米国で、自然飼育の肉やオーガニック原料を使ったチェーン店などが売り上げを伸ばしているそうです。

そのような流れを受け、米国マクドナルドはハンバーガーのバンズに使われているコーンシロップを砂糖に切り替え、チキンナゲットや朝食メニューのスクランブルエッグに使用していた人工保存料の添加を取りやめると発表しました。またナゲットの揚げ油に使っている人工的な防腐剤の添加も中止し、ポークソーセージからも人工防腐剤を除去する等としています。

一方、日本マクドナルドは9月1日時点ではどうするかの報道はされていません。保存料の使用状況や、何を使用しているかなどの詳細情報も非公開のようです。

一方で、ここ日本ではがんの罹患数が年間100万人を超えるようになってきました。がんになる原因は数多くありますが、化学物質がそのうちの一つであることは間違いないようです。ですから、その化学物質が少しでも抑えられるのであれば喜ばしい事ではないでしょうか。もちろん化学物質を抑えただけでがんがなくなるわけではありませんが、がんの原因の一つである以上は、やはり日本マクドナルドでも米国同様の対応がされることを期待したいところです。

(参照ニュース http://www.j-cast.com/healthcare/2016/08/30276400.html?p=all)

がんは何故できるのか?

オプジーボ(ニボルマブ)が腎がんへの適応承認へ

昨今何かと話題のオプジーボ(ニボルマブ)ですが、この度、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は8月5日、腎臓がんの一部に使うことを承認することを了承しました。約1カ月で正式に承認され、保険適用が認められる見通しとなりました。

臨床試験段階では、前治療歴のある進行転移性腎臓がん患者に対する標準的な二次治療と考えられてきたエベロリムス(アフィニトール)と比較され、有意な差があると認められていました。

適応は手術不能か転移性の腎細胞がんとされ、患者は国内で年4500人と推定されています。

腎がんの患者さんにとっては朗報に違いないですが、重篤な副作用なども報告されています。使用には十分な注意が必要となります。

また用法・用量に関しては先に認可されている肺がんと同様であり、薬剤代が非常に高額となります。

オプジーボに関しては昨年の12月の肺がんの一部についての使用承認に続いての認可となりますが、悪性リンパ腫の一部と頭頸部がんについても承認申請が出されているので、認可が待たれるところです。

食道がんに対する化学陽子線治療

食道がんは早期に発見するのが難しいがんです。初期の段階から周囲へのリンパ節への転移が起こるため、何らかの症状が出て発見された場合の多くはリンパ節転移が起きています。そのため、遠くの臓器への転移が起きていないⅢ期までの食道がんでも治療範囲は比較的広くなります。

標準治療には「手術」と「化学放射線療法」があります。一般的に第一選択は手術となりますが、高齢の患者さんや、なんらかの合併症がある患者さんにはリスクが大きすぎるので、放射線治療と抗がん剤治療を同時併用する「化学放射線療法」が行われます。手術と比較しても、手術にかなり近い治療成績を上げています。

しかしながら、化学放射線療法には、化学放射線治療ならではの副作用があります。食堂に放射線を照射するときに、どうしても心臓や肺に放射線がかかってしまうのです。それにより心臓を包む膜に水がたまる「心外膜炎」や「放射性肺炎」が代表的な障害として発生してしまうのです。

これらの副作用を軽減するのに効果的だと考えられているのが、「化学陽子線治療」です。化学放射線治療の放射線治療の部分をX線から陽子線に置き換えたものです。

陽子線には「ブラッグピーク」という、エネルギーの放出が、ある一点で大きくなる性質があります。ですからそのピークをコントロールすることにより、目的とする臓器以外には放射線があまりかからないようにすることが出来るのです。そのことにより、食道がんの場合は肺や心臓に対する影響を大きく減らすことが出来ると期待されているのです。照射回数は基本的には30回照射を行います。

また、陽子線治療は先進医療なので、その部分の費用は全額自己負担となります。金額は筑波大学では、248万4000円と高額となります。その他の部分の治療には保険が適用されます。

結婚とがん治療-米国の研究結果から見る早期発見の重要性

米国立癌研究所(NCI)のSEERプログラムデータベースによる大規模な研究によると、がんの診断時に結婚していた患者さんは、結婚していなかった患者さんよりも長生きするという結果がでました。

分析によると既婚患者は、早い段階で診断を受け、適切な治療を受ける傾向が強いことも分かったそうです。この研究は2004年から08年の間にがんの診断を受けた73万人を対象に行なわれました。

その分析の結果によると、結婚していた患者は結婚していなかった患者に比較して、最初にがんと診断されたときに転移している可能性が17%低かったそうです。

また、結婚していた非転移性がん患者は結婚していなかった患者より53%も多く、更に最適な治療を受ける傾向にあったことや、既婚の患者のほうが20%長く生存することも分かったそうです。

これは患者が結婚していた場合、配偶者が患者の精神的苦痛を分かち合ったり、通院への付き添いや治療に関する手助けをする場合が多いことが影響しているのではないかと言っています。

一方、日本と米国では医療制度は大きく違います。ですから、日本でも米国の結果と同じ結果になるかどうかはわかりません。しかしこの話のキーポイントは、最初の診断時に既婚者のほうが転移の可能性が低いこと、つまり早期発見しているということにあるのではないでしょうか?そしてその後も配偶者の後押しもあり、適切な治療を受けていると言う事も重要です。

日本人男性は体調に変調があっても検診を中々受けたがらないそうです。ですからパートナーやお子さんに尻を叩かれて、渋々検診を受けると言うことも多いようです。そのような現実から考えると、日本でも米国と同様な結果となるのかもしれません。しかしここで大切なことは、結婚しているかどうかではなく早期発見できるかどうかと言う事です。結婚していても結婚していなくても、早期発見のための検診が大切と言う事です。

胃がんを早期発見するペプシノーゲン検査

胃がんは日本でも死亡率は下がってきてはいますが、罹患者数は相変わらず大勢いらっしゃいます。その胃がんになりやすい危険度が血液検査で判る方法が「ペプシノーゲン検査」です。「ペプシノーゲン検査」とは、血液中のペプシノーゲンの産出量を測定することによって、高い確率で萎縮性胃炎を発見することができるというものです。また胃癌は萎縮性胃炎を経て発生する可能性が高いので、胃癌の早期発見にも有効な検査方法だと言われています。

ペプシノーゲンの検査結果は数値によって陽性と陰性に分かれますが、陽性の中でも強い陽性の場合は委縮性胃炎や胃がんが疑われます。陰性でも数値が高めの場合はピロリ菌感染が疑われますので、ピロリ菌の検査をお勧めします。

ただ、ペプシノーゲン検査にも欠点はあり、萎縮と関係なく発症する未分化型腺がんや、間接X線法では容易に診断できる進行がんが逆に見逃されると言われています。そこで近年では、ペプシノーゲン検査でスクリーニングを行ない、陽性になった人は上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)による精密検査を受け、陰性者は従来の胃X線検査を受けるという方法が最適であると考えられています。