成熟したリンパ球はリンパ節に移動します。悪性リンパ腫は、このリンパ節に到達したリンパ球が異常増殖する病気で、リンパ節のがんと考えられます。身体の表面のリンパ節や身体の奥のリンパ節がが腫れる事もあり、時には色々な内臓に入り込んだり、血液の中に流れ込んだりすることもあります。悪性リンパ腫の患者さんは白血病の患者さんの2倍以上と言われており、血液腫瘍の中では頻度の高い病気です。高齢者に多いですが若年層でも発症することもあり、現在は微増しています。
また悪性リンパ腫は大きく分けると、腫瘍を構成する組織型により、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分類されます。さらに細かく病理学的に分類されますが、それは治療法を選択するための重要な手掛かりとなります。日本ではホジキンリンパ腫は約1割で、9割が非ホジキンリンパ腫です。(欧米では約3割がホジキンリンパ腫です。)
ホジキンリンパ腫は主に首やわきの下や胸の縦隔などにあるリンパ節から発生します。
一方、非ホジキンリンパ腫はリンパ節から発生する人が半分。残りは胃腸、肝臓、すい臓、乳腺、卵巣、どこにでもできます。 できた場所により症状もまちまちです。胃に出来れば胃潰瘍のような症状がでますが、それゆえに他の病気と間違われやすく、診断が遅れたり、適切な治療が施されない場合もあるので注意が必要です。
悪性リンパ腫は化学療法の効果が高いがんですが、根治になりにくいタイプや使用できる薬剤が限定されているタイプもあります。現在も新薬の開発がされていますので、一刻も早い登場が期待されます。
また、遺伝子治療で非常に大きな効果がある患者さんもいらっしゃいますので、それも選択肢の一つに入るのではないでしょうか。