卵巣がんなどの治療のために閉経前の人が両方の卵巣を切除したり、卵巣を残していても放射線療法などの影響で機能が失われた場合、「卵巣欠落症状」が起こることがあります。顔のほてりやのぼせ等、いわゆる更年期障害と同じような症状が現れます。症状の現れ方には個人差があり、一般的には若い人ほど強く出る傾向があります。
その卵巣欠落症状のなかでも注意が必要なものが骨粗しょう症です。
骨の新陳代謝には、新しい骨を作る「骨芽細胞」と古い骨を壊す「破骨細胞」が関わっています。女性ホルモンのエストロゲンには、「破骨細胞」の働きを抑える作用があり、そのおかげもあって骨芽細胞と破骨細胞がバランスよく働いているのです。しかし、卵巣を切除してエストロゲンが分泌されなくなると、「破骨細胞」の働きが「骨芽細胞」の働きを上回ってしまい、骨粗しょう症が起こりやすくなるのです。
骨粗しょう症を予防するポイントは食事と運動です。
食事は栄養バランスを考え、特にカルシウムやマグネシウムが不足しないように気を付けましょう。
また、骨を強くするために、骨に刺激を与える運動も必要となります。ウォーキングやストレッチなどを行い、定期的に骨密度の検査も受けることも忘れないようにしましょう。