進行・再発の非小細胞肺がんに対して「オプジーボ」(ニボルマブ)が承認されました

最近何かと話題になっている、免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボ(ニボルマブ)ですが、この12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の治療に関して承認がされました。

ご存知の通り、オプジーボ(ニボルマブ)は根治切除不能な悪性黒色腫に関して承認をされていましたが、今般上記が追加となりました。

ただ、「国内での治験症例が極めて限られているため、製造販売後、一定数の症例に関わるデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。」とありますので、日本人に対する効果や副作用などの集積はこれからとなるようですね。実際に少しずつですが副作用の報告もされ始めているようです。中には重症の筋無力症や筋炎のような重篤な副作用の報告もあるようですので、注意は必要です。しかしながら、非常に期待の高い薬剤が承認されたことは喜ばしい事ではないでしょうか。

一方でオプジーボは薬価が非常に高いのでも有名です。「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に使用する場合は悪性黒色腫に使用する場合よりも用量・使用頻度共に多くなります。用量は1.5倍となり点滴の頻度も悪性黒色腫が3週間間隔に対して、肺がんの場合は2週間間隔となります。

その為に1回あたりの薬価が体重60kgの方で130万円以上ともなり、年間で約3,460万にもなります。もちろん、自己負担は高額療養費制度を申請することにより随分と抑えられますが、それでも高額である事は間違いがありません。

健康保険でのがん治療はそんなにお金がかからないと言う方もいらっしゃいますが、そうとも言えなくなっているのが現実ではないでしょうか。

あきらめずにがんと向き合うためにも、これからはしっかりとした準備が必要となりそうです。