卵巣がんはその組織型により、主に4つのサブタイプに分けられます。
漿液性腺がん(しょうえきせいせんがん)、粘液性腺がん(ねんえきせいせんがん)、類内膜腺がん(るいないまくせんがん)、明細胞腺がん(めいさいぼうせんがん)の4つです。これらはそれぞれに特徴があり、抗がん剤の効きやすさも異なります。
漿液性腺がんは日本人に一番多く、抗がん剤が効きやすいタイプです。
粘液性腺がんは抗がん剤が効きにくく、巨大な腫瘍を形成しやすいがんです。卵巣がんの中での頻度は低いがんですが、がんよりも悪性度の低い「境界悪性腫瘍」に分類される頻度は高いです。
類内膜腺がんは抗がん剤が効きやすいがんですが、子宮体がんに合併することがあるので注意が必要です。また、子宮内膜症から発症するケースも多いので、早期発見されることが少なくないですが、良性疾患からがん化することに注意が必要です。
明細胞線がんは、日本では漿液性腺がんに次いで多く発症し、最近さらに増える傾向にあります。卵巣がんの中では抗がん剤が効きにくいタイプです。このがんも子宮内膜症から発症するケースが多いので早期発見されることが多いのですが、類内膜性腺がんと同様に注意が必要です。