がんと糖尿病の関係 その1

以前は、糖尿病になるとがんにならないという都市伝説?がありました。

しかしながら実際は、糖尿病患者さんはがんになりやすく、がん患者さんは糖尿病を起こしやすいと言われています。

2013年の5月に日本癌学会と日本糖尿病学会の合同委員会では「糖尿病とがんのリスクに関する報告」が発表されました。この報告によれば糖尿病がある人は無い人に比べて、全がんで1.2倍の発症リスクがあると言われています。

何故ならば、糖尿病とがん発生の間には、肥満、運動不足、喫煙、飲酒などの共通の原因もありますが、インスリン抵抗性や高血糖など、糖尿病の病態ががんを増やすリスクになると言われているからです。特に増加しやすいのは肝がんで糖尿病のない人の1.97倍のリスクであり、膵がん、大腸がん、子宮体がんと乳がんもリスク増加すると言われています。

また、もともと糖尿病があった患者さんに、がんが出来た場合の特徴的な症状として、血糖コントロールが悪化する事が多いと言えます。ですから、特に食べ過ぎてもないし運動量も以前と同じなのに血糖値が上がるなど、特別な理由もないのに血糖コントロールが悪くなる場合、その原因としてがんが隠れていることがあるので、十分な注意が必要です。

肝がんの原因NASH(非アルコール性脂肪肝炎)

がんと糖尿病の関係 その2