がんは何故再発するのか?

がんは完治が難しい病気といわれます。なぜならば、がんは治ったように見えても再発する可能性があるからです。

つまり、がんの怖さは再発・転移にあるのです。

ではなぜ再発するのでしょうか?再発の理由としては、主に3つの理由があると言われています。

一つ目は、治療後にもわずかながん細胞が残っている場合があることです。手術の際に目に見える(画像に写る)がん細胞を全て取ったとしても、見えないがん細胞が残ってしまったり、すでに他の臓器に転移している場合などは、その残されたがん細胞が増殖して、再度がんとして成長をはじめる場合があります。

二つ目は、ひとたびがんを発症した患者さんは、例えがんの除去に成功したとしても「がんになりやすい状態」の身体そのもは変わっていないためです。どういうことでしょうか。がんはいくつかの遺伝子の変異が積み重なって発生する病気です。一方で、がんを発症した方の身体の中には、がんが出来たところ以外のところにも遺伝子の変異が生じている可能性があります。それゆえに再発の可能性が高いと言えるのです。

三つ目は、がん治療の過程で抗がん剤治療や放射線治療を受けたことが、がん発症の原因になり得るからです。放射線や抗がん剤の多くは、DNAを傷つけることによってがん細胞を殺します。しかしこの治療法では正常細胞の一部も遺伝子が傷つけられてしまい、その細胞ががん化することが有り得るそうです。

がんの再発は治療後2~3年以内に起こることが多く、一般的には遅くても5年以内に再発すると言われています。ですから一般の固形がんは5年間再発しなければ治癒と言う言葉が使われます。しかしながらがんの種類によっては乳がんのように10年以上経ってから再発する例もあります。そのような観点からも、5年経過してからも定期的な検査は大事です。