mm単位の小さいがんは、従来の内視鏡では映らないので見えないがんでした。ところが内視鏡技術を進化させた、特殊光内視鏡「NBI」(Narrow Band Imaging)が見えないがんの早期発見を可能にしました。
何故見えないものが見えるようになったのでしょうか。
がんは栄養分を引き込むために血管を新生します。しかしながらがんの芽である微細ながん細胞が引き込む新生血管は0.1mm以下と細いため、それを今までの内視鏡では発見できなかったのです。
一方、NBIは血管を流れる赤血球の成分であるヘモグロビン(小学校の理科で習いましたよね?)に吸収されやすい2つの波長の光で照らして観察するため、粘膜表層の毛細血管と粘膜微細模様が強調して表示されます。先述しましたが、がんは成長するときには新生血管を多く引き込みます。そのような状態になれば、NBIでは粘膜表層が込み入って見えるようになりますので、がんが早期発見できるのです。
特に咽頭・喉頭がん、食道がんのハイリスクグループには、このNBIが早期発見のための強力な武器になるでしょう。